門真ネット企業プレゼン会 Vol.9
「記憶」ではなく「記録」によるものづくりへ~社内の「管理力」の向上への取組み~
株式会社大和真空 代表取締役 西口 佳弘 氏
株式会社大和真空は、昭和46年の創業以来、プラスチックの真空成形を一筋に行ってきた。
真空成形とは、樹脂シートを加熱後、金型内を真空引きし、樹脂を金型に密着させることにより形状を得る成形方法。
樹脂製品の中でも金型コストが小さく、短納期にも対応できるのが特徴。身近なものでは卵パックなどがこの真空成形で生産されている。同社はこの真空成形により、電子・精密部品出荷・工程用トレイ、基板ラック、水耕栽培用トレイ、メディカルトレイなど幅広い製品を取扱う。
近年同社が特に注力しているのはメディカルトレイ。屋台骨であった大手電機メーカーからの電子部品トレイの受注が減少したのをきっかけに、医療分野への進出を決意。
同社の業界トップクラスのクリーンルーム工場では衛生基準の極めて厳しい医療器具のパッケージや膿盆等が生産され、同社の事業の一つの柱になるまでに成長している。
同社はまた、真空成形した部材を貼り合せ、二重構造によりより立体的な形状を得る技術に高いノウハウを有する。
この貼り合せ技術は特許も取得しており、産学連携により開発した「水耕栽培用トレイ」、既存品に比べて大幅な軽量化と低価格を実現した「基板ラックトレイ」など同社の主力製品に用いられている。
このような独自技術に加え、もう一つの強みが、営業の提案力である。同社では営業スタッフがものづくりを熟知しており、顧客からの相談に対しノウハウを生かした積極的な提案を行うとともに、自ら設計から試作までを行うことで、顧客満足度の高い提案を実施している。
さて、プレゼンを行った西口社長は、昨年、先代から引き継いで社長に就任したばかり。
副社長当時から気にかかっていたことがある。それは、会社全体として「管理力が不足していること」であった。
管理と一言でいっても、整理整頓、納期・品質管理から人材育成に至るまで多岐に渡る。ある社員が「わが社は「記録」ではなく「記憶」でものづくりを行っている。」と漏らすように、永年の「経験」によるものづくりに頼っていたという。同時にまた社内に意見しづらい雰囲気もあることにも気付いた。
そこで西口社長は早速、毎日朝の15分間、各部門を管理する立場にあるリーダーを集めた勉強会を始めることにした。
テーマは納期管理、手順書の作成、5Sまで様々。初めは出される意見も少なかったが、回を重ねるごとに、少しずつ、社長が考える管理者としての行動が定着するようになってきたという。
最後に、西口社長は「経営者同士は何かと集まる機会は多いが、階層別の交流は少ない。担当者は自社1社しか知らない人も多い。勉強会やフランクな食事会でも良い。品質管理担当同士、営業担当同士といったような階層別の交流が門真ネットでも取組めれば。」と語った。
【企業データ】
株式会社大和真空
短期間で高付加価値の真空成形トレイでお客様の要望に応える
住所:〒571-0017 門真市四宮3-1-37
TEL:072-882-2466
URL:http://www.daiwashinku.co.jp/
今回の定例会では、門真市中小企業サポートセンターから、3月18日(金)に開催された「第3回門真市ものづくり企業改善活動勉強会」の報告がありました。
サポートセンターでは、製造の合理化・生産性の向上・クレームの撲滅・不良の低減・5S活動・QCサークル・新製品開発など、経営課題・お困りごとを解決するお手伝いを無料で指導・支援しています。ご活用ください。
次の定例会は、4月27日(水)18:30より、門真市中小企業サポートセンター分室にて開催致します。
今後のネットワーク定例会の日程は、
4月27日、5月25日、6月22日 (※すべて水曜日) となっております。