門真ネット企業プレゼン会 Vol.37
「社長直結の改善活動で生産力200%に向上!」
和田電器株式会社 営業担当 課長代理 宮浦 勇樹 氏
和田電器株式会社は、昭和39年創業の電子機器メーカーで、主にプリント基板の製造・アッセンブリ・実装を行っている。それら製品は、テレビや空調機器の電化製品、航空機のコックピットのモニター部品等に使用され、活躍の幅は広い。また、同社は全5社からなるグループ経営を行っており、拠点を門真と長崎佐世保に構え、門真3社ではプリント実装基板、長崎佐世保2社では造船関連や導光板の仕事を行っている。
長く成長し続ける秘訣に日々の改善活動があり、改善点は大きく3点。一「製造の改善」、二「見える化」、三「設備投資」である。
先ず、一の「製造の改善」。2011年から社長による直接指導の下、月1回定例改善活動を開始し、今日に至るまでに262件の業務改善を行ってきた。結果、生産量は2014年と2016年とを比較すると約2倍にまで躍進したという。このように意味ある改善が出来たのは、全てにおいて社長による指摘や進捗管理等、入念なチェックが入り、一致団結して知恵を絞り取り組めたからだと宮浦氏は語る。また、ISO14001(環境対策)規格でごみ排出量を低減するため、コピー用紙や一般廃棄物の増減データを収集し、数値に基づいた改善を行った。その他には、自動車を社持ちからリースに順次切り替え、経費を削減した等が例に挙がった。
二の「見える化」では、パート社員を含む全従業員の名札を工夫して見える化を図った。それは従業員の技能の熟練度を科目別にシールで示したものであり、それぞれ初級は黒、中級は青、上級は赤の星印のシールで区別した。スキルアップ箇所の明確化と多能工化を目的とし、年に1回の評価更新を設けている。最低賃金が上がるなか多くのパート社員を同一賃金にするわけにはいかないといった背景があり、この評価は賃金にリンクしているという。また、来客者に一目で従業員のレベルを判別してもらえるメリットもある。 三「設備投資」では、社員の意見を聞き時代に合わせた設備投資を順次行っており、近年に至っては毎年行っている。設備が古い所為で生じるロス分を積極投資により改善するためだ。これまでに、手作業で行っていたものを自動化したり、効率的で高性度な検査を可能としたりと現場の声を形にしてきた。来年度も同様に実施予定で、今回は古くなった印刷機の更新で作業工数を単純化し、リードタイムの削減を狙う。
同社自社開発商品は、アクリル板をレーザー加工し側面からのLED照射で必要な部分だけを光らせてドットで表現する「導光板LEDサイン」がある。その中でも他社共同開発を行った「危険予防表示灯」は今年グッドデザイン賞を受賞した。来年度、美術館等の公共施設での導入を予定されている。「導光板LEDサイン」の製品群は顧客の自由な発想でオーダーができるので、今後も新たな使用事例が期待される。
最後に、同社の課題は若手の雇用にあるという。現在、30歳代の社員はおらず、20歳代の宮浦氏の次は40歳代で年齢層がアンバランスである。このままでは社員の高年齢化が進み、事業継続が難しくなることが予想されるため、今後は若手の雇用と社員の育成、事務の引き継ぎが必要だと同氏は熱く語った。
【企業データ】
企業名:和田電器株式会社
住所:571-0034 門真市東田町16番18号
TEL:06-6900-8008
URL:http://www.wadatechno.co.jp
門真市ものづくり企業ネットワークでは、毎月第4水曜日、定例会を開催しています。
定例会では、会員企業同士が深く理解しあい、共通の課題の解決や今後の新たな連携事業等のきっかけとするため、企業プレゼンを中心とした内容で進めています。また、定例会の様子も当HPで発信していきます。