門真ネット企業プレゼン会 Vol.35
多品種・少量品を完全受注で短納期・一貫生産を実現!
株式会社広伸 主任 吉田 剛 氏
株式会社広伸は、昭和40年7月に門真市巣本町で辻製作所として創業、ナショナル住宅建材株式会社(現パナホーム株式会社)を主要な顧客とし、当初はプレハブメーカー用の住宅部材を手掛けていた。平成2年に株式会社広伸に改名し、平成18年には中国の北京に進出、5年後の平成23年には中国国内での内需対応のため、瀋陽工場を開設した。その後も成長を続け、現在の従業員は約90名、売上高は約13億円、工場面積は約1500坪もある。 業務内容は、マルチな金属板金加工で、プレス加工からタレパン加工、レーザー加工、長尺ブレーキ加工、ロボット溶接加工まで、金属の板金加工は一貫してできる設備を保有し、顧客は、ハウスメーカー、物流設備メーカーのほか、特殊車両メーカーなど幅広いのが特徴である。
同社は、生産量・材料・材質・加工方法など柔軟な対応力をもち、一番の強みは、月18,000件、30万個、5,000種の多品種・少量品を完全受注で、最短3日の短納期で一貫生産できる点にある。具体には、①指示書に図面・実績・バーコードを入力することで独自生産システムを構築し生産の見える化、②独自材料加工と運搬ロスレスによる短納期化、③熟練者によるネスティング、溶接治具の内製化、設備のIT化による低コスト化推進を行っている。特に、汎用性のある定尺材料の中に、さまざまな種類のパーツを組み合わせる「ネスティング」は独自の加工方法で、同社の従来の方法に比べ、歩溜まりは約8%向上、加工時間は約20分の削減に成功した。また、品質保証体制は、工程検査と完成品検査で品質を保証している。
さらに、環境への取り組みとしては、平成24年にISO14001を取得し、大手取引会社が独自で定めるグリーン調達先基準にもクリアしている。例えば、作業で汚れた軍手を従来は廃棄していたが、専門業者で洗浄し再利用することで、軍手の購入コストの削減にもつながっているという。
今後は、顧客の求める多様なニーズに高次元で応えるため、創業以来培ってきた同社のさまざまな加工技術と、3DCAD/CAMとIoTをツールとした新たな加工技術と工法開発を融合させていきたい。また、現在は熟練者頼りになっている12mm以上の中厚板の溶接技術を標準化することで、ロボット溶接を実現し、品質の安定化、コスト競争力、納期対応能力を向上させ、中厚板の金属加工で地域オンリーワン企業を目指したいとプレゼンを行った吉田主任は語る。
ビジョンを広げ、成長を続ける同社に今後も注目したい。
【企業データ】
企業名:株式会社広伸
住所:〒571-0017 門真市四宮4-5-22
TEL:072-883-0660
URL:http://koshin-k.com
門真市ものづくり企業ネットワークでは、毎月第4水曜日、定例会を開催しています。
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