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第37回定例会 フロンティア産業株式会社

門真ネット企業プレゼン会 Vol.34
more clean, more ecology, more silence
フロンティア産業株式会社  代表取締役社長 小田島 進 氏

フロンティア産業株式会社は、1968年創業(フロンティア商事として個人創業)で当時は弱電メーカー向けに防音材、断熱材等の販売事業の展開で事業を拡大してきた、1980年にフロンティア産業株式会社として法人化、5年後の1985年にはエアフィルターを開発製造開始している。現在は2009年に新設した滋賀工場を生産拠点とし、門真市に本社を構えることで事業展開を行っている。従業員は現在国内120名程、中国で70名程がいる。

現在の主力製品は空気清浄機やエアコン、掃除機などに使われる「フィルター」の設計・製造・販売で、住宅・ビル空調などに使用される空気清浄フィルターなども取り扱っている。
また、次いで熱交換素子の設計・製造・販売を行っており、その他、防音・気密性などに優れた不織布やウレタンフォームなどのシート材料を加工した機能部品も取り扱っている。
シックハウス症候群の対策から建築基準法が改正され、住宅ビル共に24時間換気することが必要になった。通常の換気であれば夏は冷房による冷たい空気が室外に逃げ、温かい空気が入ってきてしまい室温を上げてしまう。冬はその逆が起こる。同社ではそこに着目し、熱交換素子の製品開発を開始。独自のリブ形状で構成した六角形対向流コアの積層構造の熱交換素子「スーパーエコロジーエレメント」を開発し、換気により入れ替わる空気の通り道とすることで、室内と室外の空気の入れ替え時の高効率な熱交換を可能とした。同製品は、冷暖房の効率を向上させ、省エネ・エコロジーに資する製品として近畿経済産業局が実施する事業「関西ものづくり新撰2017」にも選定されている。現在省エネ性に特に力を入れている中堅住宅メーカー数社に供給を開始しているが、今後更なる拡販を目指している。また、海外、特に中国での公共施設・大型の商業施設からの引き合いがある。
今後も多くの引合いがあると見込まれる同製品だが、まだまだ課題もある。形状が6角形、積層構造という構造的特徴があり、大型の素子になると1日40台ほどしか製造できない。専用設備の開発を重ね、積層構造の一段積み上げるのに当初10秒かかっていたものを2.8秒にまで圧縮したが、それでも200段以上積み上げる必要があり1日に約50台弱が限界。同設備4台体制で生産しているが市場に満足に供給するには間に合わない状態である。 同社では今後も継続して生産方法の研究・開発を行い、今後増えていくであろう24時間換気に係る熱交換素子の市場獲得を目指している。

同社は創業以来ずっと門真市に本社を構え、来年で創業50周年を迎える。現在も人々の生活を支える様々な製品に使用される各種フィルター等の製造を行いながら、新製品の開発・発展に意欲的に取り組み、会社のロゴにもある「more clean, more ecology, more silence」を実践している同社について、今後も注目していきたい。

【企業データ】
企業名:フロンティア産業株式会社
住所:〒571-0012 門真市江端町6番7号
TEL:072-882-7601
URL:http://www.a-frontier.co.jp

参考URL
スーパーエコロジーエレメント:http://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/shinseihin/2017/page/08.pdf

門真市ものづくり企業ネットワークでは、毎月第4水曜日、定例会を開催しています。
定例会では、会員企業同士が深く理解しあい、共通の課題の解決や今後の新たな連携事業等のきっかけとするため、企業プレゼンを中心とした内容で進めています。また、定例会の様子も当HPで発信していきます。