門真ネット企業プレゼン会 Vol.33
ちょっとした工夫や新技術で差別化しブランド化する!
株式会社日惠製作所 開発課係長 富田 和幸 氏
株式会社日惠製作所は、1981年創業のLED製品を中心とした電子応用機器製造販売を行う会社である。企業理念は、Creation(独創的で質の高い商品づくり),Challenge(新規市場を開拓する挑戦),Contribution(総合メーカーとして社会に貢献)の3C。企業発足当時は遊技分野を主に手掛け産業分野の売上は1割程度に過ぎなかったが、現在は、近年遊技関連の規制強化や娯楽の多様化等の趨勢の変化により、およそ5年前から産業分野への転換を図っているところである。
開発方針は、「ちょっとした工夫による差別化」と「新技術を使った従来品との差別化」で、自社製品の優位性の確立を図りながら顧客や環境にも配慮している。「ちょっとした工夫による差別化」には、接続工事の簡略化を可能とする配線接続のコネクター化や予算や規模に合わせた製品要望に柔軟に対応可能な機能ブロックごとの分割基板などがあり、また、「新技術を使った従来品との差別化」にはLED採用による電球使用の廃止や流動式回転仕様の採用などがある。流動式回転灯とは、円形に並べられたLEDが順番に点滅することで回転を表現し、完全なるモーターレスを実現したもの。長寿命で静音、さらに環境に優しい製品となっている。
これらの技術と製品を広く業界に浸透する為には、展示会への出展やホームページの充実、OEMでは無償で試作を行うなどし、PRを徹底。その結果、徐々に業界に名を馳せ定着できるようになったという。現在、一般産業向けでは、20社あまりの上場企業との直接取引や官公庁の入札物件の採用に至るまでに成長し、2010年で売上の5%だった一般産業向けは2016年で30%に達し、販売比率を着実に上げている。
当社の代表製品は次のとおり。
遊技業界向け製品群には、パチンコ台の各台に付いている店員呼び出しランプや島(パチンコ台の列の端部分)に付いている代表ランプ(店員を呼ぶ印になる)がある。特色は、綺麗に光る工夫を凝らしていることで、例えば、樹脂製のプリズムを使用しその反射で横からの美しさを演出したり、島の呼び出しランプ同士が連動して一斉にウェーブするシステムを備えている等である。業界シェア率は、呼び出しランプで15%、代表ランプで80%を誇る。代表ランプで高シェアを持っているため、他社の呼び出しランプの売上動向をも推測することができるという。
一般産業向け製品群は、LEDの回転灯を中心に多数のラインラップがある(Φ22mm~Φ170mm)。ただ光らせるだけでなく、工場の入り口付近に設置し、人感センサーと組み合わせて光や音声を発する使い方や、コピー機やFAX等に取り付け、紙をセンサーで感知して点灯するもの等がある。その中で売上が好調なものに、積層タイプ回転表示灯があり、主に医療機器や製造ライン等に設置され異常を知らせる。これは遊技業界向け製品に着想を得てアップデートしたという。他にも電池式で持ち運べるもの、ハイパワーLEDを使用した車載用の高輝度警告灯、ソーラーパネルと組み合わせた回転灯・証明灯等を取りそろえている。
ちょっとした工夫や新技術を使った従来品との差別化とブランド価値を上げる営業を続ける株式会社日惠製作所に今後も注目したい。
【企業データ】
企業名:株式会社日惠製作所
住所:〒571-0043 門真市桑才新町33-9
TEL:06-6908-6930
URL:http://www.nikkei-mfg.co.jp/