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第31回定例会 川本研磨株式会社

門真ネット企業プレゼン会 Vol.23
「営業1年目!特殊加工に新風を吹かせる!」
川本研磨株式会社  石原 佑紀 氏

川本研磨株式会社は、昭和56年に石原氏の義父が創業した会社で、電子部品の基板など高い面精度が求められる薄物材料の平面研磨を行う会社である。
一般的に研磨といえば、バフやバレルといった方法で平面に限らず研磨を行う事業所が多いなか、同社では創業以来ラッピングとポリシングという特殊な加工方法に特化し、他社との差別化を図っている。

ラッピング加工とは、定盤の上で様々な大きさの砥粒粉を水に溶かせて滴下させ、その上に材料を張り付けた治具をセットし、定盤を回転させて材料との間の転がり運動で材料を削り込んでいく(磨き込んでいく)研磨のことを言う。
ポリシング加工とは、ラッピング加工された加工品をさらに細かいダイヤモンド砥粒で、それを噴霧しながら特殊な定盤で磨き上げること。いわば最終工程である。これにより鏡面にすることができる。

長所は、面粗精度が高いこと。ダメージが少なく、薄く、脆く、欠けやすい材料に適している。一方で、加工速度は遅く、硬い素材であれば1つの加工に1時間を要することもある。
例えば、タングステン等の難削材であれば、あらかじめ仕上げ寸法に近い状態に加工しておくなどの工夫を施すが、それでも鏡面にするとなれば、徐々に砥粒を細かくしていく工程がある為、2時間を要する。また、平面加工であるので、変わった形状や長物には特殊な治具が必要になり、数が無いと非常にコストが掛かる。しかし、裏を返せば特殊な治具さえあれば、加工の幅を広げることが可能だ。
加工素材は、セラミックスがメイン。その他には、タングステン、樹脂、カーボン等を扱う。用途は、セラミックスが電子半導体で、主に電波塔関係。タングステンは、レーザーや映写機などの光源関係。樹脂、カーボンは、最近需要が高まってきており、ジョイント等に使用される。

この特殊な加工を行う当社の今後の取り組みは2つ。人材の確保と新規顧客開拓だ。

人材の確保では、門真ネット人材部会の取り組みで高卒生の採用に成功し、大事に育てていこうと意気込んでいるところで、人材育成の青写真を描いている。しかし、会社に20歳代の社員がおらず、入社後に馴染んでいけるだろうかと一抹の不安が残る。現在、ハローワークだけでなく、インターネットの求人サイトを利用しながら若年層の採用に力を入れているところだ。
次に、新規顧客開拓であるが、創業以来営業の経験がなく、手探り状態。営業1年目の今年度は、MOBIO展示や関西機械要素技術展等の展示会への出展をし、売り上げ向上には遠いが、新規顧客の獲得に繋げることができた。これからの出展にも意欲を見せる。
また、展示会だけでなく、ホームページの拡充で新規顧客を狙う。加工先をインターネットで探索することが増えた今、顧客の年数回の需要もしっかりつかむようにしていく。特殊な加工の為、知ってもらう事こそ肝心なのである。
当面の目標は、新規顧客開拓によって、現在売上率7割の顧客を4割まで下げられるようにすること。会社を安定させるため、営業活動に挑んでいく。

【企業データ】
企業名:川本研磨株式会社
住所:〒571-0017 門真市四宮3-9-29
TEL:072-882-2522
URL:http://kawamotokenma.com/

門真市ものづくり企業ネットワークでは、毎月第4水曜日、定例会を開催しています。
定例会では、会員企業同士が深く理解しあい、共通の課題の解決や今後の新たな連携事業等のきっかけとするため、企業プレゼンを中心とした内容で進めています。また、定例会の様子も当HPで発信していきます。