門真ネット企業プレゼン会 Vol.21
オーダーメイド工業用ブラシを1個から製作
株式会社共伸技研 代表取締役 加藤 克典 氏
株式会社共伸技研は、昭和57年に門真市で創業し、以来、複雑形状な工業用ブラシを主に製造・販売する企業。
製造するブラシはチャンネルブラシと呼ばれ、コの字型に曲げた金具の間に、2つ折りにした毛材を針金で埋め込み製造する。
植え込み式に比べて、植毛密度の濃いブラシができ、高いブラッシング効果や異物を通さない、ふさぎ効果が高いといった特徴があり、①きれいにする、②けずる・みがく、③ふさぐといった用途で使用されている。
基本は直線状だが、ロールブラシ、内巻ブラシ、カップブラシなどさまざまな形状にも加工しており、オーダーメイドで小ロット・多品種、受注後5日間~2週間の短納期で販売できる体制を備えており、現在の顧客数は3000社以上、ブラシの種類は年間9000種以上にも及ぶ。
そのブラシのほとんどが1~10個の小ロットの受注である。
当然のことながら、材料、形状、使用する機械、製造プロセスはロット毎に異なり、生産管理や納期管理は煩雑なものとなっていた。
生産については受注状況により生産量が変動するため、ライン単位で日々煩忙と閑散が繰り返され生産にムラがあることが大きな課題となっており、この生産のムラを無くし、コスト競争力と利益率向上を図っていくことが急務であった。
そこで行ったのが、独自の生産管理システムの構築である。
自社の生産工程を川上、川中、川下の3工程に区分し、それぞれの工程で行うべき作業を工場の各所に設置したモニターで表示。その作業を納期の順に赤、黄、青で色分けし、作業の優先順位を明確にした。
現場では、その日のうちに作業を終えないと納期遅延が発生する赤から順に作業を行うことを徹底し、納期遅延を撲滅するとともに、赤の作業が多くありボトルネックとなる工程に赤が無くなった工程から応援を出すなど、多能工化した従業員をフル活用することで生産性を大幅に向上させている。
また、製造現場だけでなく営業も生産状況が把握できるため、自社の稼働状況を勘案しつつ受注活動を行うことができ、無理な受注も減少している。
結果として、納期順守による顧客からの信頼性の向上や、生産性の大幅な向上による残業代等の経費の削減など、会社の競争力が大きく向上している。
さて、プレゼンを行った加藤社長は平成12年に入社し、平成20年に2代目として社長に就任。直後にリーマンショックに直面した。
影響を受け、売上高は前期比約40%減、会社は大赤字という危機に陥った。そのような状況から従業員と共に、会社の競争力強化に取り組んできた。
今後も日々の改善やIT技術を活用した改革を推し進め、成長を遂げる同社に注目したい。
【企業データ】
企業名:株式会社共伸技研
住所:〒571-0017 大阪府門真市四宮5-6-33
TEL:072-885-4344
URL:http://www.kyoushingiken.co.jp/
次の定例会は、12月21日(水)18:30より、門真市中小企業サポートセンター分室にて開催致します。
門真市ものづくり企業ネットワークでは、毎月第4水曜日、定例会を開催しています。
定例会では、会員企業同士が深く理解しあい、共通の課題の解決や今後の新たな連携事業等のきっかけとするため、企業プレゼンを中心とした内容で進めています。また、定例会の様子も当HPで発信していきます。