門真市ものづくり企業ネットワーク:通称『門真ネット』は市内のものづくり企業の情報交流の場です

第29回定例会 栄光技研株式会社

門真ネット企業プレゼン会 Vol.18
人が嫌がる仕事こそ取り組む!
栄光技研株式会社  専務取締役 平岩 将幸 氏

栄光技研株式会社は、各種バネ・線材加工、三次元空間成形技術、金属加工を主な業務とする企業。平成29年7月には創業40周年を迎え、新工場も稼働する。バネを扱う企業は全国に約3000社あり、同社は決して規模の大きい企業ではないが、これまで技術・品質向上を図り、高品質を求めてきた。

創業当時は、大手のバネ会社の下請けとして家電やオーディオ機器、カメラなどに用いる引きバネなどの小さなバネを製造。特に、米粒ほどの大きさの精密バネには定評があり、大手カメラメーカーの一眼レフカメラに多数の部品が使用されていた。しかし、取引先の海外展開や製品の変化に伴い、受注が減少、これまでとは異なる領域からの受注に取り組むこととなった。
目を付けたのが自動車分野。愛知方面に営業を行ったが、全く相手にされなかった。他社との違いを出さないことには相手にされないと考えた同社は当時としてはまだ珍しかったISO9001の取得に着手。他社がコンサル会社等のアドバイスを受けて取得することが多い中、社員一丸となり、通常業務後に深夜遅くまで取り組み、8カ月後には自力で認証を取得した。

「人が嫌がる仕事こそ取り組む」ことをモットーにした社長の営業力とISO9001の効果もあって、線材を使ったワイヤークランプを受注。見事に自動車業界への参入を果たした。大変な仕事ではあったが、業績は向上した。
しかし、リーマンショックで状況は一変、会社はたちまち倒産の危機に瀕した。特定の会社への依存が大きくなり過ぎたのが原因であった。
これまで行政機関の支援を受けることに抵抗を感じていたが、発想を切り替え、使えるものはできる限り活用することにした。結果、会社は危機を乗り越えた。平成26年には、ばね材を使用した線加工品の三次元空間成形技術が、近畿経済産業局の関西ものづくり新撰2014に選定、表彰を受けた。
同年4月には当時の安倍総理が工場視察のために来訪、マスコミに取り上げられニュースにもなった。これにより、顧客へ一層のアピールが可能になった。
また、高品質も当社の特徴。例えば、ある自動車メーカーに納めている部品の不良は過去4年間で1度しかないという。さらに現在では、部品の製造のみならず、ばね材を使ったワインラックや、カップ・ボトルホルダー等の自社製品も開発している。

このように進化を続ける同社であるが、来春には新工場が竣工予定である。
これまで即戦力を求めて中途採用者を採用していたが、次のステージに向け若年層を採用し、将来を担う人材を育てていくことに重点を置きたいと平岩専務は語る。今後の同社の一層の飛躍に期待したい。

【企業データ】
企業名:栄光技研株式会社
住所:〒571-0015 大阪府門真市三ツ島5-13-5
TEL:072-881-3556
URL:http://www.eiko-sp.co.jp/