門真ネット企業プレゼン会 Vol.16
門真発 プリンテッド・エレクトロニクスの未来を拓く!
株式会社 ワイ・ドライブ 代表取締役 山﨑 智博 氏
株式会社ワイ・ドライブは、プリンテッド・エレクトロニクス関連技術の開発を行うベンチャー企業。
パナソニックでエレクトロニクス分野の開発に携わっていた山崎社長が、プリンテッド・エレクトロニクスの将来性を信じ、現役時代に実現できなかった技術を実現するために設立した。
プリンテッド・エレクトロニクスとは、インクジェットプリンターの印刷方法を用いて、電子回路やディスプレイ等を製造する技術。次世代ディスプレイとして期待される有機ELディスプレイの生産性向上に寄与するものとして期待が大きい。
高精細で高品質の有機ELディスプレイを製造するためには、インクジェット工法生産設備に搭載されているインクジェットノズルからインク(有機物)をピコリットル単位で正確に吐出し、正確な位置に塗布することが必要となる。
同社は一つの設備に約160個搭載されているインクジェットノズルについて、吐出量と塗布位置の誤差を一本毎に緻密に制御することを可能とする高精度キャリブレーション技術を開発。国内で7社がプリンテッド・エレクトロニクスに用いるインクジェット工法生産設備を手掛けているが、各社から画期的な技術として評価されているオンリーワン技術である。 この技術は、既に5社に採用され、更に多くの企業にも採用されることが見込まれている。
一方、これまでに開発した技術を活用して様々な事業を展開する。中心となるのはパワーエレクトロニクス関連機器の受託開発。ロボットなどに用いられる電子基板やモーター等の制御装置などの開発を受託している。
最近では、制御ソフトの開発技術を活かしてソフトバンクが販売しているロボット「Pepper(ペッパー)」のアプリを開発するために必要な「Pepperアプリ開発パートナー」の認定を受け、Pepperの販売と必要なアプリの受託開発を開始した。
その他にも、強力な殺菌力があり医療用途に用いられる低圧水銀ランプを代替するための「LED深紫外線光源」や伸縮性が高く導電性に優れた「グラファイト系伸縮性導電ペースト」を開発し関連メーカーへの販売を行っている。また、ガラスやステンレス、鏡の反射面に直接印刷可能なインクを開発しA4サイズでのカラー印刷を行うサービスも行っているとのことである。
同社は、工場を持たないファブレス企業であるため、必要な加工や製造を市内企業等に依頼している。一方で、制御ソフト等の受託や導電性ペースト、鏡面へのカラー印刷など市内企業に提供出来るものもあるので、関心のある企業は、是非、同社にお問い合せいただきたい。
このように、2011年の設立以来、プリンテッド・エレクトロニクスの技術開発を起点に様々な事業を展開し成長をとげてきた同社であるが、本年は大きな節目を迎えることとなる。
国内電機メーカーの有機ELディスプレイ開発部門を統合し、設立した株式会社JOLED(ジェイオーレッド)から、本年10月にこの製法を用いた「塗布型有機ELディスプレイ」のサンプル出荷が始まった。まさにプリンテッド・エレクトロニクス元年となる節目の年である。
今後、プリンテッド・エレクトロニクス技術を用いた有機ELディスプレイ生産設備の投資が本格的に行われることとなり、同社の技術の本格的な普及が見込まれる。
門真発のプリンテッド・エレクトロニクスのパイオニアとして、同社の大きな飛躍に期待したい。
【企業データ】
企業名:株式会社 ワイ・ドライブ
プリンテッド・エレクトロニクス関連技術・機器の開発
住所:〒571-0016 大阪府門真市島頭3-22-7 丸一ビル2階
TEL:072-886-2922
URL:http://www.y-drive.biz/index.html