門真ネット企業プレゼン会 Vol.13
~自社製品を持ちたいという熱い思いがカタチとなる~
臼谷電子株式会社 代表取締役社長 臼谷 公一 氏
臼谷電子株式会社は、昭和33年の創業以来、旧三洋電機㈱の下請けとして、弱電関係の設計・組み立て加工を約50年にわたり続けてきた。
しかし、下請けだけでは受注量により業績が左右される。その為、自社製品を持ちたいという強い思いを持ち、1980年代後半から製品の開発・製造に乗り出した。下請け会社が他の事業を手掛けることに、取引先は良い顔をしなかったが強い思いをもって開発を続けた。
そして誕生したのが、現在まで20年以上売れ続けている超小型抵抗溶接機「ミニミニウェルダー」である。
平成6年には旧三洋電機㈱からの受注がゼロとなる危機もあったが、自社製品を手がけたことなど強みを磨く取り組みを続けてきたことにより会社の危機を乗り越えてきたのである。
さて、現在の同社の事業内容は、大きく2つ。主力となっているのはアッセンブル事業。5Sの徹底を基軸にISOに準拠した品質管理体制を構築しているのはもちろんのこと、短納期対応や多品種少量生産ができる強みを活かし多くの顧客のニーズに応えている。今後も「納期」「コスト」「品質」何れにおいても客先を満足させることを追及し続けるとのことである。
もう一つの柱は自社商品の開発やOEM商品の製造等である。自社開発商品には、ロングセラーとなっている小型溶接機「ミニミニウェルダー」やカラーCCD監視用カメラ「ばん見くん」がある。「ばん見くん」は当時高価であった防犯カメラを安価で簡単に導入できるよう開発された製品で、専用のレコーダー不要で家庭用のビデオデッキに接続可能としたことが特徴である。
業界初の商品として小規模店舗等で多数導入された実績がある。そして「ミニミニウェルダー」は、ニッチな市場ではあるが、日本を代表する大企業や医療機関・大学・各種研究機関等に選ばれ使用されている。コンデンサー式により薄板・細線など通常では、穴が開きやすく溶接が難しい場面でも溶接を可能としたことが本製品最大の特徴である。
また、小型軽量で非常にコンパクトである為、作業場所を選ばない。さらに、顧客の要望に合わせて電極を別注にて製作するなど、使いやすさにこだわりっている。これまでに、客先から一件のクレームもなく、極めて満足度の高い製品としてロングセラーを誇っている。
「ミニミニウェルダー」が市場に受け入れられる一方で、更に多様な場面に対応できるよう新製品の開発にも積極的に取り組んでいる。現在開発を進めているのが「マルチ・マイクロウェルダー(仮称)」である。
これは独自の可変周波数による出力制御により、適切な熱量制御を可能とし、これまでは難しかった微細線・薄膜等の特殊素材の溶接を高い精度で行うことが出来るもの。
また、制御ユニットに自動機用インターフェイス出力を搭載することにより、産業用ロボットへの接続が可能となった。これにより、同社の製品はこれまでのハンドメイド用途に加えFAでの使用まで幅広く対応可能となる。
開発は、群馬県のART-HIKARI株式会社との共同で行った。本年4月のインテックス大阪で開催された「2016国際ウェルディングショー」に試作機の参考出展を行い、実際にロボットと接続してデモ溶接を実施、来場者の注目を大いに浴びた。展示会で得た声を反映させ更なる改良を行い、本年秋の上市を目指して開発を進めている。
宣伝活動においては、できるだけ多くの方に自社製品を知ってもらいたいという意向で積極的に展示会に出展している。 東大阪にあるものづくりビジネスセンター(MOBIO)へは、海外のお客さんへのPRも含め3年前から常設展示を行っている。
臼谷電子は、新製品開発や他社との共同開発、展示会への出展等、これからも挑戦し続ける。
【企業データ】
臼谷電子株式会社
大手が扱わない小型スポット溶接機で微細な加工を実現
住所:〒571-0058 門真市小路町7-28
TEL:06-6903-0500
次の定例会は、7月27日(水)18:30より、門真市中小企業サポートセンター分室にて開催致します。
※6月10日のMOBIO Cafe‐Meetingを門真ネット6月定例会として開催したため、
6月22日(水)の定例会の開催はありませんのでご注意ください。