門真市ものづくり企業ネットワーク:通称『門真ネット』は市内のものづくり企業の情報交流の場です

第60回 生産性1.5倍部会

日時:2025年5月19日(月)17時00分~18時30分

場所:門真市中小企業サポートセンター分室(ハイブリット開催)

参加者:32名

(1)開会及び初参加企業の紹介

(2代表世話人挨拶 (牧野精工株式会社 牧野社長様) —5分

(3)来賓挨拶(門真市) —5分

(4)発表(一瀬製作所)—20分

テーマ:「機械場(全体)の生産性を1.5倍にする!」

(5) 発表(北次)—20分

テーマ:「不良などによる再カット工程の時間短縮及び、件数の削減」

(6) 発表(大日運輸)—20分

テーマ:「サンクスデスク『事務所受発注システム』の再構築」

(7)総評及び各社意見交換—20分

(8)閉会

●開催にあたり、門真ネットの牧野代表世話人より

全社員が「自分ごと」として業務改善に継続的に取り組むことの重要性が強調されました。小さな努力の積み重ねが将来的な成果につながり、経営陣と現場がそれぞれの役割を果たすことで、会社全体の成長が期待されると述べられました。

●実施内容(成果発表)

発表者1: 一瀬製作所

テーマ:「機械場(全体)の生産性を1.5倍にする!」

■現状の課題:

  • 段取作業による機械停止時間の長さ(8時間中約4~5時間しか稼働していない)。

②プログラム検索時間のロスや非効率な入力時間

主な対策:

  • 曲げ加工の3人体制化。

②プログラムフォルダーの整理と入力時間の短縮(6分→2分)を目指す。

■現状の成果: 3人体制化から半年以上経過したが、数値としては「あまり良い数字ではない」。

■今後の改善点: グラフ項目の細分化により、時間浪費の原因をさらに明確にする。

発表者2: 北次株式会社

テーマ1: 「再カット工程の時間短縮」

■現状の課題: 再カット完了までの平均日数が4.8日と長く(最長16日以上)、生地置き場が散乱し、1人で作業を抱えがち。

■主な対策:

①「見える化」の推進(ホワイトボード活用、準備状況のケース化)。

  • 情報共有の促進(朝礼での状況共有)。
  • 生地の整理整頓、作業の分担。

■効果: 再カット完了までの平均日数が4.8日から2日間へ短縮された。

テーマ2: 「再カット件数の削減」

■現状の課題: 月平均9件の再カットがあり、そのほとんどが延反工程での「パーツの欠け」が原因(「上下掛け」「途中掛け」が多い)。

■主な対策:

①延反時の継ぎ目マーカー線引きルール導入。

  • 長尺パーツの手前配置。

③延反後の生地端チェックルール導入。

■効果(途中経過): 今月13日時点でパーツ欠けは1件のみで、目標(月4件以下)達成の見込み。

■今回の教訓: 「見える化と情報共有が非常に大切」であり、課題発生時にはこれらをどう確立するかを考える習慣がついた。

発表者3: 大日運輸株式会社

テーマ1: 「シーラー塗布機の稼働による品質向上化」

■現状の課題: 塗装ラインの稼働増加で塗布作業が忙しくなり、塗りムラや泡などの品質問題が発生し、材料の無駄も生じていた。

■主な対策: 昨年11月に約500万円のシーラー塗布機を導入し、今年3月から稼働開始。自作カートンネルによる乾燥工程の改善も行った。

■効果: 品質向上(塗りムラや泡が解消)、作業者2名から1.5名への削減(年間約210万円のコスト削減)。

テーマ2: 「サンクスデスク『事務所受発注システム』の再構築」

■現状の課題: 仕事量増加に対し、やり方が整備されておらず、管理職の長時間残業が常態化。顧客との打ち合わせから伝票作成まで一人で完結するためボトルネックが生じていた。

■主な対策:

①「サンクスデスク」の新設(情報の一元受付)。

  • 新メンバー3名の増員。
  • 多能工化と業務の役割分担(複雑な打ち合わせと単純なPC入力・伝票出力を分離)。

④3S活動、PC整備。

■効果: 管理職の伝票作成にかかる時間外労働が1日3.5時間から0.5時間(30分)に短縮された。

■今後の活動: 事務所レイアウト変更、統一伝票導入、自動配車システム導入を目指す。

総括・閉会

参加企業代表者からは、全社員が主体的に改善活動に取り組むことの重要性、継続することの大切さ、そして見える化と情報共有の価値が改めて確認されました。特に北次社の漫画を用いた説明が好評でした。今後も継続的な改善活動を推進していくことの重要性が再確認され、閉会となりました。