門真ネット9月定例会報告(平成28年9月28日(水)18:30~)

門真市ものづくり企業ネットワークでは、毎月第4水曜日、定例会を開催しています。
定例会では、会員企業同士が深く理解しあい、共通の課題の解決や今後の新たな連携事業等のきっかけとするため、企業プレゼンを中心とした内容で進めています。また、定例会の様子も当HPで発信していきます。

これまでの定例会の様子は → こちら

門真ネット企業プレゼン会 Vol.16
門真発 プリンテッド・エレクトロニクスの未来を拓く!
株式会社 ワイ・ドライブ 代表取締役 山﨑 智博 氏

株式会社ワイ・ドライブは、プリンテッド・エレクトロニクス関連技術の開発を行うベンチャー企業。
パナソニックでエレクトロニクス分野の開発に携わっていた山崎社長が、プリンテッド・エレクトロニクスの将来性を信じ、現役時代に実現できなかった技術を実現するために設立した。

 

プリンテッド・エレクトロニクスとは、インクジェットプリンターの印刷方法を用いて、電子回路やディスプレイ等を製造する技術。次世代ディスプレイとして期待される有機ELディスプレイの生産性向上に寄与するものとして期待が大きい。
高精細で高品質の有機ELディスプレイを製造するためには、インクジェット工法生産設備に搭載されているインクジェットノズルからインク(有機物)をピコリットル単位で正確に吐出し、正確な位置に塗布することが必要となる。
同社は一つの設備に約160個搭載されているインクジェットノズルについて、吐出量と塗布位置の誤差を一本毎に緻密に制御することを可能とする高精度キャリブレーション技術を開発。国内で7社がプリンテッド・エレクトロニクスに用いるインクジェット工法生産設備を手掛けているが、各社から画期的な技術として評価されているオンリーワン技術である。 この技術は、既に5社に採用され、更に多くの企業にも採用されることが見込まれている。

 

一方、これまでに開発した技術を活用して様々な事業を展開する。中心となるのはパワーエレクトロニクス関連機器の受託開発。ロボットなどに用いられる電子基板やモーター等の制御装置などの開発を受託している。
最近では、制御ソフトの開発技術を活かしてソフトバンクが販売しているロボット「Pepper(ペッパー)」のアプリを開発するために必要な「Pepperアプリ開発パートナー」の認定を受け、Pepperの販売と必要なアプリの受託開発を開始した。
その他にも、強力な殺菌力があり医療用途に用いられる低圧水銀ランプを代替するための「LED深紫外線光源」や伸縮性が高く導電性に優れた「グラファイト系伸縮性導電ペースト」を開発し関連メーカーへの販売を行っている。また、ガラスやステンレス、鏡の反射面に直接印刷可能なインクを開発しA4サイズでのカラー印刷を行うサービスも行っているとのことである。
同社は、工場を持たないファブレス企業であるため、必要な加工や製造を市内企業等に依頼している。一方で、制御ソフト等の受託や導電性ペースト、鏡面へのカラー印刷など市内企業に提供出来るものもあるので、関心のある企業は、是非、同社にお問い合せいただきたい。

 

このように、2011年の設立以来、プリンテッド・エレクトロニクスの技術開発を起点に様々な事業を展開し成長をとげてきた同社であるが、本年は大きな節目を迎えることとなる。
国内電機メーカーの有機ELディスプレイ開発部門を統合し、設立した株式会社JOLED(ジェイオーレッド)から、本年10月にこの製法を用いた「塗布型有機ELディスプレイ」のサンプル出荷が始まった。まさにプリンテッド・エレクトロニクス元年となる節目の年である。

 

今後、プリンテッド・エレクトロニクス技術を用いた有機ELディスプレイ生産設備の投資が本格的に行われることとなり、同社の技術の本格的な普及が見込まれる。
門真発のプリンテッド・エレクトロニクスのパイオニアとして、同社の大きな飛躍に期待したい。

 

【企業データ】
企業名:株式会社 ワイ・ドライブ
プリンテッド・エレクトロニクス関連技術・機器の開発
住所:〒571-0016 大阪府門真市島頭3-22-7 丸一ビル2階
TEL:072-886-2922
URL:http://www.y-drive.biz/index.html

 

門真市ものづくり企業データベース

カドマイスター企業~かどまのものづくり33社~

門真ネット企業プレゼン会 Vol.17
ちょっと変わった「おもろい製品」チョット変わった「おもろい会社」をスローガンに開発する!
株式会社 東穂 執行役員 大阪統括マネージャー 清水 正勝 氏

株式会社東穂は1962年に創業して以来、プラスチック異形押出成形品製造販売を行っている。現在、門真に本社を置くが周辺の宅地開発が進んだ為、生産は大東工場と北海道にある2つの工場で行い、門真では、樹脂を使わない特殊材料の開発などを行っている。
押出成形とは、熱して溶かした樹脂を棒状に押し出し金型で成形する製法。同じ断面形状のものが連続して出てくるので、細くて長い樹脂製品の大量生産には不可欠な製法である。押出成形品は、電気製品、自動車から日用雑貨まで幅広い用途で使用されている。
同社では、建築部材に使われる製品の比重が高く、中でも樹脂サッシの部材を多く手掛けている。サッシと言えばアルミ製を思い浮かべるが、樹脂は熱伝導率が悪く窓ガラスが結露しにくいという利点あり、近年樹脂サッシが多く用いられるようになっている。

 

このように、樹脂製品は使用範囲の広がりを見せる一方で、ユーザーの海外移転、景気の低迷、安価な輸入材の流入などにより厳しい経営環境におかれている。このような状況下では、何か特色を持ったもの、工夫を施したものでなければ、安値競争に巻き込まれるだけで付加価値のある商売にはならない。

 

そして、強い危機感から意識改革が始まった。
スローガンは“ちょっと変わった「おもろい製品」チョット変わった「おもろい会社」”だ。いきなり大きく変化することは難しいが、少しずつの意識改革で高付加価値の商品を展開することが目標である。

 

方針には次の3点が挙げられた。
①技術発展の伴う開発を行う為、利潤無き製品の大量生産・大量販売はしない。
②材料もちょっとずつ変化をもたせ樹脂屋が樹脂を使わない樹脂屋を目指す。
③少量よりも更に小ロットの微量多品種生産を行うことである。

 

その改革の中で、「樹脂を使わない樹脂屋」で特色ある製品を世に送り出している。
一つ目は、熱膨張防火剤をテープ状にしたものがある。これはヘビ花火の成分を含んだ素材で、窓枠のなかに仕込むことにより、火事の時に膨らみ隙間を埋め、火が外に出るのを押さえ空気の流入を防ぐ。この技術は特許を取得しており、大手窓枠メーカーに納入している。

 

二つ目は、コア技術のプラスチック異形押出成形技術に粘着性素材を複合し押出成形するものがある。この技術を使い共同開発し、上市されている商品は多く、IHコンロ用フレームパッキンや耐震ゲルテープ、スマートフォン用指紋汚れ取りローラー等がある。

この他にも、2次元的な押出成形の技術を工夫し3次元的なものにした「ケーブル指示案内装置」や、凸状に連続押出した「棒状精密レンズ」など客先の困りごとを解決するオンリーワン技術を次々に開発し、付加価値を生み出している。 今回紹介した技術や開発品は一部に過ぎない。“ちょっと変わった「おもろい製品」チョット変わった「おもろい会社」”をスローガンにする同社。今後も客先の困り事を“押出し”の決まり手で解決していくことに期待したい。

 

【企業データ】
企業名:株式会社東穂
あたりまえの押出成形品ではなく、ちょっとでも変わった押出成形品で顧客のニーズに応えられるよう、日々開発を進めている。
住所:〒571-0012 門真市江端町2-16
TEL:072-806-1681
URL:http://www.toho-ext.co.jp/


門真市ものづくり企業データベース

次の定例会は、10月26日(水)18:30より、門真市中小企業サポートセンター分室にて開催致します。

 

また、当ネットワークの加入も随時受け付けていますので、お気軽に門真市産業振興課までお問い合わせください。
申込み方法などご案内はこちら → 加入のご案内


門真市ものづくり企業ネットワークでは、毎月第4水曜日、定例会を開催しています。
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