門真ネット5月定例会報告(平成28年5月25日(水)18:30~)

門真市ものづくり企業ネットワークでは、毎月第4水曜日、定例会を開催しています。
定例会では、会員企業同士が深く理解しあい、共通の課題の解決や今後の新たな連携事業等のきっかけとするため、企業プレゼンを中心とした内容で進めています。また、定例会の様子も当HPで発信していきます。

これまでの定例会の様子は → こちら

門真ネット企業プレゼン会 Vol.12
~たゆまぬ企画力・技術開発力の強化世界のタカゾノブランドを目指す~
株式会社タカゾノ 総務部 部長 北川 髙夫 氏

株式会社タカゾノは昭和38年の創業。医療機器・医療システムの企画・開発・製造・販売を一貫して実施しており、その中では特に、薬局や病院等に設置される分包機(処方する錠剤や散剤、時には水剤までを自動的に小分けし袋に密封する装置)等の「薬科機器」及び高圧蒸気を使用した滅菌装置等の「医療機器」が事業の2本柱となっている。
東京、大阪に本社を構え、工場は4カ所、営業所等が40カ所、従業員は800名強、アメリカ、ベトナム、中国にも現地法人を設置するなど、その規模は大きい。

 

今回プレゼンいただいた北川部長は入社以来34年、開発部門一筋で活躍し、今春総務部長に着任したばかり。
プレゼンでは装置等の構造など技術的なポイントも、非常に分かり易く説明いただき、参加者は食い入るように聞き入っていた。

 

さて、同社の製品は、昭和38年、大学との共同開発により開発した小型の卓上分包機「OT-1」を嚆矢とする。その後、分包機の全自動化を達成するなど、分包機のパイオニア企業として成長する。
薬局において調剤ミスは重大な事故につながりかねず、あってはならないことである。分包機においても正確な調剤を行うことが求められ、それに必要な様々な機能やコンタミ防止技術など、安全性や信頼性を高める独自の技術力が蓄積されている。

 

一方で製品の高付加価値化にも積極的に取り組んできた。単に錠剤等を計数し分包するだけでなく、高齢者を中心とした誤飲防止の為、同時に袋に「あさ」「ひる」「ゆう」などと印字する機能を付加したものや、大手プリンターメーカーと共同で開発した、薬袋発行機を製品化するなど事業の幅を拡大してきた。

 

現在では、処方確認から、計数計量、監査(確認)、薬袋の発行まで、一連の調剤業務をトータルで支援するシステムを開発、製品付加価値を大きく付与するとともに、病院・薬局等のIT化の推進に大きく貢献している。
一方、「医療機器」については、すぐ思い浮かぶCTスキャンやMRI等の大型機器については「超」大手の寡占状態で新たな参入の余地は少ないものの、ノウハウをもつ滅菌装置についてはOEM供与等も活用しながら収益力を強化していく予定。

 

現在、我が国の「薬局」の再編が大きく進んでいる。患者が複数の薬局にかかることによる、調剤の重複、副作用の防止の観点から「かかりつけ薬局」の整備が国の施策として進められており、その結果、薬局のM&Aも進行しており、小規模な薬局においても新規調剤機設置のチャンスが拡大しているという。
「この好機に、同社の高い技術力に裏打ちされた製品力と、営業力を総動員し一気にシェア拡大を目指す。」北川部長は意気込み語った。

 

【企業データ】
株式会社タカゾノ
健やかさの追求と未来の創造
住所:〒571-0038 大阪府門真市柳田町4-17
TEL:06-6903-2000
URL:http://www.takazono.co.jp/


門真市ものづくり企業データベース

門真ネット企業プレゼン会 Vol.13
~自社製品を持ちたいという熱い思いがカタチとなる~
臼谷電子株式会社 代表取締役社長 臼谷 公一 氏

臼谷電子株式会社は、昭和33年の創業以来、旧三洋電機㈱の下請けとして、弱電関係の設計・組み立て加工を約50年にわたり続けてきた。
しかし、下請けだけでは受注量により業績が左右される。その為、自社製品を持ちたいという強い思いを持ち、1980年代後半から製品の開発・製造に乗り出した。下請け会社が他の事業を手掛けることに、取引先は良い顔をしなかったが強い思いをもって開発を続けた。
そして誕生したのが、現在まで20年以上売れ続けている超小型抵抗溶接機「ミニミニウェルダー」である。

 

平成6年には旧三洋電機㈱からの受注がゼロとなる危機もあったが、自社製品を手がけたことなど強みを磨く取り組みを続けてきたことにより会社の危機を乗り越えてきたのである。

 

さて、現在の同社の事業内容は、大きく2つ。主力となっているのはアッセンブル事業。5Sの徹底を基軸にISOに準拠した品質管理体制を構築しているのはもちろんのこと、短納期対応や多品種少量生産ができる強みを活かし多くの顧客のニーズに応えている。今後も「納期」「コスト」「品質」何れにおいても客先を満足させることを追及し続けるとのことである。

 

もう一つの柱は自社商品の開発やOEM商品の製造等である。自社開発商品には、ロングセラーとなっている小型溶接機「ミニミニウェルダー」やカラーCCD監視用カメラ「ばん見くん」がある。「ばん見くん」は当時高価であった防犯カメラを安価で簡単に導入できるよう開発された製品で、専用のレコーダー不要で家庭用のビデオデッキに接続可能としたことが特徴である。
業界初の商品として小規模店舗等で多数導入された実績がある。そして「ミニミニウェルダー」は、ニッチな市場ではあるが、日本を代表する大企業や医療機関・大学・各種研究機関等に選ばれ使用されている。コンデンサー式により薄板・細線など通常では、穴が開きやすく溶接が難しい場面でも溶接を可能としたことが本製品最大の特徴である。

 

また、小型軽量で非常にコンパクトである為、作業場所を選ばない。さらに、顧客の要望に合わせて電極を別注にて製作するなど、使いやすさにこだわりっている。これまでに、客先から一件のクレームもなく、極めて満足度の高い製品としてロングセラーを誇っている。

「ミニミニウェルダー」が市場に受け入れられる一方で、更に多様な場面に対応できるよう新製品の開発にも積極的に取り組んでいる。現在開発を進めているのが「マルチ・マイクロウェルダー(仮称)」である。
これは独自の可変周波数による出力制御により、適切な熱量制御を可能とし、これまでは難しかった微細線・薄膜等の特殊素材の溶接を高い精度で行うことが出来るもの。

 

また、制御ユニットに自動機用インターフェイス出力を搭載することにより、産業用ロボットへの接続が可能となった。これにより、同社の製品はこれまでのハンドメイド用途に加えFAでの使用まで幅広く対応可能となる。
開発は、群馬県のART-HIKARI株式会社との共同で行った。本年4月のインテックス大阪で開催された「2016国際ウェルディングショー」に試作機の参考出展を行い、実際にロボットと接続してデモ溶接を実施、来場者の注目を大いに浴びた。展示会で得た声を反映させ更なる改良を行い、本年秋の上市を目指して開発を進めている。

 

宣伝活動においては、できるだけ多くの方に自社製品を知ってもらいたいという意向で積極的に展示会に出展している。 東大阪にあるものづくりビジネスセンター(MOBIO)へは、海外のお客さんへのPRも含め3年前から常設展示を行っている。
臼谷電子は、新製品開発や他社との共同開発、展示会への出展等、これからも挑戦し続ける。

 

【企業データ】
臼谷電子株式会社
大手が扱わない小型スポット溶接機で微細な加工を実現
住所:〒571-0058 門真市小路町7-28
TEL:06-6903-0500
URL:http://www.usutani.co.jp/

 

 

門真市ものづくり企業データベース

カドマイスター企業~かどまのものづくり33社

次の定例会は、7月27日(水)18:30より、門真市中小企業サポートセンター分室にて開催致します。

※6月10日のMOBIO Cafe‐Meetingを門真ネット6月定例会として開催したため、
6月22日(水)の定例会の開催はありませんのでご注意ください。

 

また、当ネットワークの加入も随時受け付けていますので、お気軽に門真市産業振興課までお問い合わせください。
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