門真ネット4月定例会報告(平成28年4月27日(水)18:30~)

門真市ものづくり企業ネットワークでは、毎月第4水曜日、定例会を開催しています。
定例会では、会員企業同士が深く理解しあい、共通の課題の解決や今後の新たな連携事業等のきっかけとするため、企業プレゼンを中心とした内容で進めています。また、定例会の様子も当HPで発信していきます。

これまでの定例会の様子は → こちら

門真ネット企業プレゼン会 Vol.10
~「業務ローテーション」を活用した社内活性化、技術継承の取組み~
フジテック株式会社 常務取締役 藤原 洋 氏

フジテック株式会社は、昭和35年の創業以来、大手家電メーカーの協力会社として、照明器具部品(吊具・ガードなど)の製造を行っている。
同社の持つ高い板金プレス・組立加工技術により生産される高品質な製品は、取引先の厚い信頼を得てきた。
最近のめまぐるしく変更する情勢を踏まえて、未来へ向けて大きく進もうと全スタッフとともにあいよかけよで邁進している。

 

今回プレゼンを実施した藤原常務は創業者から数えて4代目。
常務はこの局面の陣頭指揮を執り、社内体制の強化を図っている。特に「技術の幅を広げること」そして「人材の育成」に積極的に取り組んでいる。今回そのエピソードを一部ご紹介いただいた。

 

ある日、同社にあるオーダーが舞い込んだ。
具体的には、純アルミの手曲げ加工で、公差はかなり厳しい。同社では鉄やステンレスの経験は豊富であるが、今回の加工仕様に取り組むのはほぼ初めて。 しかし加工できるところがないのか、相手方はどうしても「助けてほしい」とのこと。
悩んだ藤原常務ではあったが、自社の「技術の幅」を広げるチャンスととらえ、受注を決めた。
しかし、待っていたのは現場からの猛反発。感情も入り混じりながらの議論を重ね、常務は「今回は半分不良をだしても構わない。とにかくチャレンジしてみよう。」と説得し、加工にとりかかるが、やはり失敗の連続。現場一体となり試行錯誤を重ね、なんとか納品に成功したが、不良品の山が築かれた。

 

しかし受注を重ねるごとに、現在は軌道に乗り、技術が蓄積しつつあり、常務は「今までやってきたことを完全に逸脱することは無理でも、「技術の幅」は広げることはできる。
それは会社としての対応力向上に資するだけでなく、社員にとっても貴重な経験になる。このことは、今後必ずフジテックの大きな財産となる」と大きな手ごたえを感じている。

 

次に、同社のユニークな取組みである「業務ローテーション」を積極的に活用した人材の育成についてお話いただいた。
同社の製造セクションは「板金部門」「組立部門」「品質保証部門」の3つがある。
現在、品質保証部門に在籍する中堅社員のAさんは、長らく物流・出荷部門で従事していた。常務は昨年、彼を品質保証部門の検査員に抜擢。もちろん検査の知識・経験もゼロ。
常務や周囲の積極的なフォローもあり、少しずつ技能を習得する。一方で、彼はこれまで、出荷部門としてクレームや要望等の「窓口」となり、客先の「生の声」を聴いてきており、相手の立場に立った品質に対する考えもよく理解している。 この経験と本人の努力により一気に開花、品質保証部門の主戦力として活躍することになった。

 

同社は部門内でも多能工化を積極的に進め、例えば、これまでプレスブレーキのみを扱っていた社員をプレス金型も使えるようにといった具合に、持ち場のローテーションを積極的に導入し、お互いの業務を理解し合い、今後の職務に活かす取組みを行っている。
「地域・社員の子ども達が誇りを持てる会社であり続ける」ことを理念に掲げる同社は、従業員こそ会社の財産ととらえ人材の育成や技術の幅を広げることで、自らの変革期を乗り越えていく。

 

【企業データ】
フジテック株式会社
金属加工を通じて、お客様に信頼される仕事をし続けます
住所:〒571-0002 門真市岸和田2-2-23
TEL:072-881-5401


カドマイスター企業~かどまのものづくり33社~

門真ネット企業プレゼン会 Vol.11
安全で安心な社会の実現に貢献する!
サクセスプランニング株式会社 専務取締役 原田 政則 氏

サクセスプランニング株式会社は、女性や子供が刃物で切り付けられるなどの事件に心を痛めた創業者が、一般の方でも気軽に身に着け、身を守ることが出来る衣類や帽子を作り、安全で安心な社会の実現に貢献したいとの思いから平成15年に設立された耐刃防護服等の専門メーカーである。

 

耐刃防護服の決め手となるのは鋭利な刃物で切り付けられても切れにくい生地を用いることにあるが、耐刃性を優先し重くて分厚い生地を用いると、着心地が悪く常に身に付けるものとはならない。
同社では、より強く、より軽く、より着心地良く!を商品コンセプトとして明確に打ち出し、それを実現するために、京都西陣織の老舖の有限会社フクオカ機業とコラボし、3年の月日をかけ業界最高水準の耐刃性を有する耐刃防護生地を完成した。

 

しかし、当初はほとんど売れず、事業閉鎖と隣合わせであった。そこで、販路を紹介いただくために、中小企業基盤整備機構を訪問したところ、「作り手側の自己満足の商品になっており、顧客の視点に立っていない!こんな商品は絶対に売れない!」と厳しい助言を受けた。
良いものを作っているとの自負があっただけに衝撃は大きかった。しかし、それからは発想を転換し、顧客が何を必要としているか、いわゆるマーケットインの考え方のもと、顧客の視点にたった商品作りを行うようになった。

 

新しく開発した商品であるセーフティーインナーベストやエプロンは、サービス業の使用を想定し第3者から観て着用していることが判りにくいことをコンセプトに開発した。
従業員が強盗の被害にあうこともあるタクシー会社やコンビニ等でこの商品コンセプトが支持され導入が進んだ結果、リーマンショック以降5年間で、売上げは約5倍に増加した。

 

当初は民生用途のみであったが、他に救える命があるとの考えのもと、産業用途への進出を検討し、金属加工、機械加工、プレス加工などに従事する従業員の労災防止用保護具として最強の耐刃生地を使用した耐刃セーフティエプロンや、前掛け(ズボンタイプ)、テッコ―等を商品化し、売上げを伸ばした。

 

しかし、エプロンやテッコ―は、着用しなければ怪我を防ぐことはできないし、企業が人数分を購入することは経費的に負担と感じ、購入をためらう会社もある。
ここでもまた顧客の視点に立った製品「セーフティーマシンカバー」が開発された。自動旋盤やマシニングセンタ等の刃具・ドリルの交換時に起こる切傷・突刺し事故については、人が着用しなくても怪我をする部分に直接カバーをかぶせることで事故を防ぐことができる。まさに逆転の発想である。

 

プレゼンを行った原田専務は、パナソニック出身。
「当社は商いを目指す!心が通わなければ商いでは無い。お客様の生の声を聴き、お客様に当社の事業理念や開発の思いを伝えて、結果、感動を与えることが大切!」と語る。
例えば、ホームページを通じて注文が入った場合には、開発の思いを伝え、商品カタログと生地サンプル等を送付して、お客様が理解・納得されてから注文書を頂くようにしている。
また、展示会ではいきなりカタログを渡すのではなく、一人ひとりに時間をかけて商品開発の思いを伝え、実際に実験を行い、納得頂いた上でカタログを渡している。きちんと伝えると、口コミで次の方にきちんと伝わるとのこと。

 

また、業務上の災害を防ぐには「一親等の思いやり」が大切である。
もし、その作業をしているのが自分の親や子どもであれば、その仕事をやらせるか?の基準で判断いただき、思いやりの心で安全対策を行って頂きたいと原田氏は語る。
皆様の会社で労災を防止するための保護具に興味をお持ちの方は、同社に相談頂きたい。

 

【企業データ】
サクセスプランニング株式会社
住所:〒571-0042 門真市深田町1-6-202
TEL:06-6907-9071
URL:http://www.kyotonishijin-yoroi.jp/

 

門真市ものづくり企業データベース

カドマイスター企業~かどまのものづくり33社~

今回の定例会では、株式会社スタッフ様から、クラウドファンディングでの資金調達を活用したビジネスモデルのPRがありました。
http://www.rd-stuff.com/index.html


さて、門真市ものづくりネットワーク及び門真市では、守口市と共催で6月の1ヶ月間、『「もりかど」の匠が集結!  門真・守口ものづくり企業展 in MOBIO』を開催します。

 

昨年5月には「出張!MOBIO-Cafe Meeting in 門真市」を開催し、北河内を中心とした多くの企業様にお越しいただき、地域を超えた企業間の交流が生まれました。
今年も、地域を超えた企業間交流を促進するため、門真市・守口市で活躍するものづくり企業16社が東大阪市の「MOBIO」に出向き、優れた製品・技術を展示・紹介いたします。

 

また、6月10日にはMOBIO-Cafe Meeting(プレゼン・交流会)を開催します。
MOBIO-Cafe Meetingは、他市企業や関係機関等にも多数お声掛けをしております。
皆様、ぜひ足をお運び下さい。

 

●MOBIO-Cafe Meeting(プレゼン交流会)
展示ブースの前で現物を見ながら、順にショートプレゼンを実施。その後、交流会でじっくりと名刺交換や情報交換を実施、企業間の交流を深めていただきます。

 

日時:平成28年6月10日(金)

プレゼン会 18:00~19:30

交流会 19:30~20:30(参加費用1,000円)

場所:MOBIO常設展示場 企画展ブース他

申込:MOBIO HPの申込フォームにてお申込みください。 →申込フォームはこちら


※企画展出展企業様におかれましては事前申込みは不要です。
 

なお、6月10日のMOBIO Cafe‐Meetingを門真ネット6月定例会として開催するため、6月22日(水)の定例会の開催はありません。
また、当ネットワークの加入も随時受け付けていますので、お気軽に門真市産業振興課までお問い合わせください。
申込み方法などご案内はこちら → 加入のご案内