門真市ものづくり企業ネットワークでは、毎月第4水曜日、定例会を開催しています。
定例会では、会員企業同士が深く理解しあい、共通の課題の解決や今後の新たな連携事業等のきっかけとするため、企業プレゼンを中心とした内容で進めています。また、定例会の様子も当HPで発信していきます。
これまでの定例会の様子は → こちら
門真ネット企業プレゼン会 Vol.8
積極的なオリジナル商品開発と地域貢献を両輪に
有限会社アイ・ネット コーディネーター 松本 昌太郎 氏
有限会社アイ・ネットは、ポリエチレン袋、ネット袋、ゴムバンドなどの包装資材の製造販売を行っており、包装資材販売会社に永年勤務した野田社長が平成15年に設立した。
まず、取組んだのがガゼット(マチ付)ネットの研究開発。以前より顧客の要望が強い商品であったが、当時、世にはなかった。
ガゼットネットは一見するとシンプルであるが、伸縮性に富むネットが、工程中で捻じれるなど、その成形は奥が深くノウハウが必要。元々技術屋ではない野田社長ではあるが、国や府の補助金等もうまく活用し、苦心ののちにガゼットネット量産機の開発に成功し、関連特許も取得した。
ネット袋は野菜や果物の包装資材としてのイメージが強いが、マチを付け、またカラフルな素材を用いることで、「包装資材」から「インテリア」に一変する。
例えばワインや雑貨などを入れると、商品をより引き立たせる効果がある。(写真)
このような特徴から、同社のガゼットネットは上市以降、引き合いが絶えず、酒屋、お菓子屋、卵屋に至るまで幅広い業界に納品されている。
「これからはメーカー自身が市場を創出する必要がある。これは大手しかできないと思われがちだが、中小でもインターネット等を活用すれば充分可能。」と松本氏は語る。
次に同社の特徴は、障がい者雇用を通じた社会貢献。同社は創業以来ベトナムを中心とした海外での生産を行ってきた。
平成22年、地域の活性化に貢献するため、門真市内の本社内に障がい者作業所を設置、障がい者雇用を中心とした国内生産を開始した。
生産量、スピードは劣るものの、付加価値の高い小ロット品の生産に特化することにより、ビジネスと社会貢献の両立に成功している。
また同社はベトナムを中心に海外生産を実施しているが、これは野田社長が同国の市場開放以前より、永年にわたりベトナム人留学生のホームステイを受け入れていたことがきっかけ。
留学生を通じ、徐々に現地政府や国営企業との人脈や友好関係を構築、現在に至るまで同社の大きな財産となっている。ベトナムでのビジネス等についてお知りになりたい場合は、一度、野田社長に相談いただきたい。
同社の今後の展開として検討しているのはガゼットネットの量産対応。
展示会への積極的なPRにより、大型の引き合いが寄せられるようになり、それに対応するため、先般、自動機を本社工場に設置。しかし、今後安定した生産を確保するため、装置の改良などが必要であり、現在そのパートナーを探している。一品モノの装置のメンテナンスや改造ノウハウを持つ企業様、またはご存じの方は、ぜひ同社にお声かけいただきたい。
【企業データ】
有限会社アイ・ネット
社会貢献と両立できる新商品開発、ビジネスモデルを構築
住所:〒571-0053 門真市泉町1-23
TEL:06-6900-5327
URL:http://www.ainet.co.jp/comapny/index.html
門真ネット企業プレゼン会 Vol.9
「記憶」ではなく「記録」によるものづくりへ~社内の「管理力」の向上への取組み~
株式会社大和真空 代表取締役 西口 佳弘 氏
株式会社大和真空は、昭和46年の創業以来、プラスチックの真空成形を一筋に行ってきた。
真空成形とは、樹脂シートを加熱後、金型内を真空引きし、樹脂を金型に密着させることにより形状を得る成形方法。
樹脂製品の中でも金型コストが小さく、短納期にも対応できるのが特徴。身近なものでは卵パックなどがこの真空成形で生産されている。同社はこの真空成形により、電子・精密部品出荷・工程用トレイ、基板ラック、水耕栽培用トレイ、メディカルトレイなど幅広い製品を取扱う。
近年同社が特に注力しているのはメディカルトレイ。屋台骨であった大手電機メーカーからの電子部品トレイの受注が減少したのをきっかけに、医療分野への進出を決意。
同社の業界トップクラスのクリーンルーム工場では衛生基準の極めて厳しい医療器具のパッケージや膿盆等が生産され、同社の事業の一つの柱になるまでに成長している。
同社はまた、真空成形した部材を貼り合せ、二重構造によりより立体的な形状を得る技術に高いノウハウを有する。
この貼り合せ技術は特許も取得しており、産学連携により開発した「水耕栽培用トレイ」、既存品に比べて大幅な軽量化と低価格を実現した「基板ラックトレイ」など同社の主力製品に用いられている。
このような独自技術に加え、もう一つの強みが、営業の提案力である。同社では営業スタッフがものづくりを熟知しており、顧客からの相談に対しノウハウを生かした積極的な提案を行うとともに、自ら設計から試作までを行うことで、顧客満足度の高い提案を実施している。
さて、プレゼンを行った西口社長は、昨年、先代から引き継いで社長に就任したばかり。
副社長当時から気にかかっていたことがある。それは、会社全体として「管理力が不足していること」であった。
管理と一言でいっても、整理整頓、納期・品質管理から人材育成に至るまで多岐に渡る。ある社員が「わが社は「記録」ではなく「記憶」でものづくりを行っている。」と漏らすように、永年の「経験」によるものづくりに頼っていたという。同時にまた社内に意見しづらい雰囲気もあることにも気付いた。
そこで西口社長は早速、毎日朝の15分間、各部門を管理する立場にあるリーダーを集めた勉強会を始めることにした。
テーマは納期管理、手順書の作成、5Sまで様々。初めは出される意見も少なかったが、回を重ねるごとに、少しずつ、社長が考える管理者としての行動が定着するようになってきたという。
最後に、西口社長は「経営者同士は何かと集まる機会は多いが、階層別の交流は少ない。担当者は自社1社しか知らない人も多い。勉強会やフランクな食事会でも良い。品質管理担当同士、営業担当同士といったような階層別の交流が門真ネットでも取組めれば。」と語った。
【企業データ】
株式会社大和真空
短期間で高付加価値の真空成形トレイでお客様の要望に応える
住所:〒571-0017 門真市四宮3-1-37
TEL:072-882-2466
URL:http://www.daiwashinku.co.jp/
今回の定例会では、門真市中小企業サポートセンターから、3月18日(金)に開催された「第3回門真市ものづくり企業改善活動勉強会」の報告がありました。
中小企業サポートセンターの報告書は → こちら
サポートセンターでは、製造の合理化・生産性の向上・クレームの撲滅・不良の低減・5S活動・QCサークル・新製品開発など、経営課題・お困りごとを解決するお手伝いを無料で指導・支援しています。ご活用ください。
次の定例会は、4月27日(水)18:30より、門真市中小企業サポートセンター分室にて開催致します。
また、当ネットワークの加入も随時受け付けていますので、お気軽に門真市産業振興課までお問い合わせください。
申込み方法などご案内はこちら → 加入のご案内
今後のネットワーク定例会の日程は、
4月27日、5月25日、6月22日 (※すべて水曜日) となっております。