門真ネット12月定例会報告(平成28年12月16日(水)18:30~)

門真市ものづくり企業ネットワークでは、毎月第4水曜日、定例会を開催しています。
定例会では、会員企業同士が深く理解しあい、共通の課題の解決や今後の新たな連携事業等のきっかけとするため、企業プレゼンを中心とした内容で進めています。また、定例会の様子も当HPで発信していきます。

これまでの定例会の様子は → こちら

門真ネット企業プレゼン会 Vol.22
温湿度専門のプロとして最適な温度・湿度を提案
株式会社イーエーエスジャパン  代表取締役 鶴 芳高 氏

株式会社イーエーエスジャパンは平成22年に神奈川県相模原市の株式会社イーアンドシステムズの大阪営業所として門真市で発足、平成27年に株式会社イーエーエスジャパンとして独立・創業した。
主な事業内容は、業務用の空調用気化式加湿器、産業用除湿機、全熱交換器、空調機器等の販売とメンテナンスを行っている。
主力となっているのは、加湿・除湿等を行う調湿機で、顧客の環境に応じて一品一様の調湿機を提供している。調湿の条件は、その建物が立地する地域や地形により異なり、例えば、同じ地域であっても水辺のそば、山の上、窪地など、場所によりさまざまで、季節による季候の違い、建物の仕様や使用目的により、一つとして同じものは存在しない。


多くの空調機メーカーは、特徴的な気候条件を想定し、絞り込んだ仕様で調湿機を空調設備に組み込み、顧客に納品することがほとんどである。しかし、調湿の条件はそれぞれ異なり、設置された空調機の調湿能力に不満を持つユーザーは少なからず存在する。
同社は、先に述べたような調湿に必要な各種の条件を多数蓄積しており、顧客に必要な調湿条件を導き出し、現状に不満を持つユーザーに最適な調湿機の提案を行っている。
顧客の多くは既に空調設備を導入しているため、大掛かりな設備の入れかえを望んでおらず、既に導入されている空調設備を活かしつつ調湿部分だけを更新したいという要望も多い。同社では、調湿に必要な部品を素材から自社で設計、生産しており、顧客に応じて必要な機器を容易にカスタマイズすることが出来る。
高い設計力と相まって、現状の調湿に不満を持つユーザーに最適で安価な調湿環境を提供出来る唯一無二のメーカーとして、多くの顧客からの要望に応えている。

 

さて、現在の同社の機器は主に商業施設や工場などに設置されているが、畜産や園芸などの第一次産業への展開を検討中である。
ある研究では養豚場や園芸場を適正な温度・湿度で管理することにより、産まれてくる子豚や花の数が増加したなど生産性の向上につながったといった報告がなされている。世界的に人口が増加している中で、農業分野は成長性の高い分野と見込んでおり、生産性向上につながる事業に先行して取り組みたいとの思いがある。


農業分野への展開をするにあたり機器の改良を行う必要があるが、この新たな取り組みについては門真のものづくり企業と一緒に行っていきたいとの思いを持っている。パナソニックの城下町として発展した本市には、多くの優良な技術を持つ企業があると感じており、現在の海老名市の自社工場で培った技術やノウハウとともに、最新の技術を持って門真市への工場の移転も予定するなど、門真に並々ならぬ魅力を感じておられる鶴社長。農業分野のプロジェクトを皮切りに、門真のものづくり企業との連携が進んでいくことに期待したい。

 

【企業データ】

企業名:株式会社イーエーエスジャパン
住所:〒571-0041 大阪府門真市柳町13-5
TEL:06-6900-6901
URL:http://www.easj.co.jp


門真市ものづくり企業データベース

門真ネット企業プレゼン会 Vol.23
「営業1年目!特殊加工に新風を吹かせる!」
川本研磨株式会社  石原 佑紀 氏

川本研磨株式会社は、昭和56年に石原氏の義父が創業した会社で、電子部品の基板など高い面精度が求められる薄物材料の平面研磨を行う会社である。
一般的に研磨といえば、バフやバレルといった方法で平面に限らず研磨を行う事業所が多いなか、同社では創業以来ラッピングとポリシングという特殊な加工方法に特化し、他社との差別化を図っている。

 

ラッピング加工とは、定盤の上で様々な大きさの砥粒粉を水に溶かせて滴下させ、その上に材料を張り付けた治具をセットし、定盤を回転させて材料との間の転がり運動で材料を削り込んでいく(磨き込んでいく)研磨のことを言う。
ポリシング加工とは、ラッピング加工された加工品をさらに細かいダイヤモンド砥粒で、それを噴霧しながら特殊な定盤で磨き上げること。いわば最終工程である。これにより鏡面にすることができる。

 

長所は、面粗精度が高いこと。ダメージが少なく、薄く、脆く、欠けやすい材料に適している。一方で、加工速度は遅く、硬い素材であれば1つの加工に1時間を要することもある。
例えば、タングステン等の難削材であれば、あらかじめ仕上げ寸法に近い状態に加工しておくなどの工夫を施すが、それでも鏡面にするとなれば、徐々に砥粒を細かくしていく工程がある為、2時間を要する。また、平面加工であるので、変わった形状や長物には特殊な治具が必要になり、数が無いと非常にコストが掛かる。しかし、裏を返せば特殊な治具さえあれば、加工の幅を広げることが可能だ。
加工素材は、セラミックスがメイン。その他には、タングステン、樹脂、カーボン等を扱う。用途は、セラミックスが電子半導体で、主に電波塔関係。タングステンは、レーザーや映写機などの光源関係。樹脂、カーボンは、最近需要が高まってきており、ジョイント等に使用される。

 

この特殊な加工を行う当社の今後の取り組みは2つ。人材の確保と新規顧客開拓だ。

 

人材の確保では、門真ネット人材部会の取り組みで高卒生の採用に成功し、大事に育てていこうと意気込んでいるところで、人材育成の青写真を描いている。しかし、会社に20歳代の社員がおらず、入社後に馴染んでいけるだろうかと一抹の不安が残る。現在、ハローワークだけでなく、インターネットの求人サイトを利用しながら若年層の採用に力を入れているところだ。
次に、新規顧客開拓であるが、創業以来営業の経験がなく、手探り状態。営業1年目の今年度は、MOBIO展示や関西機械要素技術展等の展示会への出展をし、売り上げ向上には遠いが、新規顧客の獲得に繋げることができた。これからの出展にも意欲を見せる。
また、展示会だけでなく、ホームページの拡充で新規顧客を狙う。加工先をインターネットで探索することが増えた今、顧客の年数回の需要もしっかりつかむようにしていく。特殊な加工の為、知ってもらう事こそ肝心なのである。
当面の目標は、新規顧客開拓によって、現在売上率7割の顧客を4割まで下げられるようにすること。会社を安定させるため、営業活動に挑んでいく。

 

【企業データ】
企業名:川本研磨株式会社
住所:〒571-0017 門真市四宮3-9-29
TEL:072-882-2522
URL:http://kawamotokenma.com/


門真市ものづくり企業データベース

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